香港極妻日記

海外生活30年目の「極妻(極道ではなく、極楽なアメリカ人妻の略)」の楽しい香港での生活、旅行、美味しいモノ、愛犬の話等、さくっとご紹介♪

香港の美味しいフランス料理@Feuille♪

上環にフランス語で「木の葉」を意味する「Feuille(フィーユ)」が5月頭にオープンすると聞き、どんなシェフか調べたところ、パリのミシュラン2つ星レストランで知られる有名シェフ、David Toutain(ダヴィッド・トゥータン)氏♪

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David Toutain氏は21歳の時に、私がパリで一番好きなシェフ、アラン・パッサールのアルページュのスー・シェフを務めていたと知り、早速ディナーに行って来ました。

 

 

香港のミシュラン星付きレストラン「 Hansik Goo」「Whey」「Ying Jee Club」などを手がけるZSホスピタリティ・グループとの提携。 

zshospitality.com

 

レストランがある上環のビル、The Wellington。

 

 

人気の「 Hansik Goo」と「Whey」もここにあります。

 

 

エレベーターに乗って一階へ上がると。。。

 

 

煌びやかさはないですが、シックで落ち着いたインテリアで居心地も良く。

シェフが求めるサステナビリティに相応しいナチュラル系のシンプル・モダン。

 

 

木の葉のお皿に置かれたコットンのおしぼりに、ほっこり。

 

 

フランス料理の伝統をベースに、肉や魚介類はもちろんのこと、果物や野菜など植物の成長や種や根に茎や花や葉っぱなど全ての部位からインスピレーションを得たコース・メニューを提供し、サステナビリティに取り組んでいるそう。

 

ちなみにFeuilleのエグゼクティブ・シェフはJoris Rousseau氏。

フランスの有名シェフ、ヤニック・アレノ氏の三ツ星レストラン「シュヴァル・ブラン・クールシュベル」や「パヴィヨン・ルドワイエン」、クリストフ・バキエ氏の同名の三ツ星レストランでシェフとして働いてきたそうです。

 

 

Feuilleのコースは、野菜を中心としたMenu Terroir@HK$1,599と、ベジタリアン用のMenu Vegetal@HK$1,350の2種類のみ。

ワイン・ペアリングのコースは7杯@HK$988。

 

 

フィーユの季節限定メニューは、食材の8割が香港の小さな業者からの調達で、季節の野菜や果物のあらゆる部分を活用しているそうで、同じサステナブルな取り組みを続けているパリのレストランは2020年にミシュランのグリーン・スターを獲得しています。

 

香港でも地産地消を掲げ、地元の生産者や有機農場から食材を調達し、環境に配慮した取り組みを続けているそうで、いずれは新界に土地を借りて、ローカルとパートナー・シップを築きたいと思っているんだとか。

 

 

今回はワイン・ペアリングをお願いしたので、まずはシャンパンから。

 

 

スマホ撮影していたら即SNSと認識し、さっとボトルを差し出したソムリエ女史。

 

 

メニューは三部作からなり、最初はGrains & Seeds(穀物・種子)。

チアシードとレモンツリー・コンブチャは、爽やかな酸味。

 

 

粉末の昆布茶ではなく、主に紅茶などを発酵させて作るコンブチャで、昔は紅茶キノコと呼ばれていましたよね。

最近は紅茶や緑茶だけではなくハーブ・ティーと果物などから作ることでカフェインが含まれなかったり、オーガニックな物を使用することでより腸内環境に最適な菌が培養されるそうです。

 

 

フラックスシードとマルベリー、見た目も綺麗ですが、味も爽やか。

ポテトと亜麻仁のタルトに、ビーツとマルベリーのピューレやゼリー。

見た目も食感も風味も良く、素材の全てを使い切っている事がすごいなあと。

生産者からシェフまで、全ての方々に感謝ですね。

 

 

コースの全メニューに共通していましたが、新鮮かつ斬新な組み合わせや調理法にも関わらず、各素材の風味も損なわれずバランス具合がとても良く、ユニークな食感や旨みが生まれたりと、見事なハーモニーを奏でていましたよ。

 

 

キノアとサツマイモとタイム、それぞれの甘みや香りが凝縮されていています。

美味しくて、食べても罪悪感が生まれず、身体の内側から元気になる感じ、最高です。

 

 

ここは決してベジタリアンではなくて、野菜も果物もお肉もお魚も全て活かされ全部くまなく味わえると言う、サステナブルで美味しいレストラン♪

こういう考え方が高級店に限らず、カジュアルで安いお店でも増えて欲しいですね。

 

 

シソは大葉のことで、海ブドウとマスタード・シードの天ぷらもいい感じ。

ただの大葉の天ぷらではなく、コリアンダーやディルなどハーブの微かな香りが大葉の香りを邪魔することなくプラスされ絶妙なバランス。

 

 

花巴という名前の日本酒は、口に含むと甘さがブワッと広がりまろやかで飲みやすく、若干酸味がある感じ、、、フランス料理にお酒、意外と合うんですね。

 

 

一瞬このチョイスに驚きましたが、これが意外とシェフの看板メニューの香港版@エッグ・カスタード&コーンのクミン・キャラメル・ソースにマッチしていました。

 

 

右側のプレッツェルみたいなスティックで混ぜながら全部いただけます。

たまごの殻に入った卵系のメニューは、私的にはナパのフレンチ・ランドリーが一番好きですが、クミン効果なのかコーンの優しい甘さいっぱいで口もたれや胃もたれしない系のこれも悪くなかったです。

 

 

次なるワインは新疆(ウイグル地区)の蒲昌ワイナリー(PUCHANG VINEYARD)のワイン。

意外や意外、ウイグル地区はボルドーやトスカーナと同じ緯度で、気候と風土がブドウ栽培に非常に適しているんだとか。

蒲昌ワイナリーは香港人オーナーで2008年の設立以来、ブドウ園の設計から栽培に収穫や生産などの工程がEUの有機栽培基準に従っているそうで、長年の改良を重ねて、2016年末に最初のオーガニックワインが発売されたんだとか。

 

 

我々がいただいたのは2019年のヴィンテージでしたが、ややフルーティですが柑橘系の香りと余韻が楽しめ、これまでに飲んだ中国産のワインとは違って別格な気がしました。

こちらの赤は結構有名らしく、リッツやフォーシーズンズやマンダリンなどの高級ホテルのワイン・リストにも並んでいるそうです。

ちょっと飲んでみたくなりました。

 

 

ここからは2部のLeaves, Stems & Roots(葉、茎、根)。

 

ここまでの前菜全て美味しかったんですが、南瓜と向日葵の種で覆われた自家製のパンが非常にカリカリ&ふわふわでナッツ好きにはたまらない美味しさ。

 

 

緑のディップ・ソース@ディル・ピル・ピルは、なんと魚の骨のコラーゲンとディルで作られたソースらしく、美味しい白身魚のお吸い物や鯛めしみたいな上品で美味しい風味。

フレンチと懐石料理の繊細な和の旨みが良いバランスで楽しめます。

 

 

グリーンピースとあさりとアーモンド・ミルクは、あさりの茹で汁とアーモンド・ミルクで作られたもちもちっとしたゼリーみたいなものとアーモンドやプリプリのグリーンピースの上に。。。

 

 

自家製アーモンド・ミルクをたっぷりかけて、いただきまーす。

シェフの腕はと思いますが、あさりとアーモンド、合うんですね。

 

 

サステナブルなので、ちゃんとあさりの貝殻も使用(貝殻は食べられませんよ、笑。

貝殻の上に、グリーンピースのピューレと上のゼリーとグリーンピースのさやのカプチーノ仕立ても、フォームが口中で溶ける瞬間にあさりとお豆の香りと旨みがふわっと味わえます。

 

 

どんどん出て来ます。

アスパラガスのメニューを追加したので、ワインも追加してくれました(多分)。

 

 

こちらはHK240ドルで追加した、モレルと白アスパラガスの一品。

 

 

またまた+カプチーノで、香りと風味と美味しさ倍増。

モレル・マッシュルーム(アミガサタケ)の香りと食感、アスパラガスの甘さ、追加して正解でした。

 

 

コースの数は多いですが前半は小さめなので、まだまだお腹に余裕があります。

どの料理もソースも主張し過ぎないのに満足感や完成度が高いのが凄いですよね。

ワインもまだまだイケちゃいます。

 

 

クレソン、タルボット(イシビラメ)、冬瓜は、身体に良さそうなほっこりした風味。

先ほどのパンのディップの骨はこのイシビラメのだったんですねー。

本当に食材をくまなく使用しているようで脱帽です。

 

 

ワインのセレクションが絶妙で、決して高級でもカルト系でもありませんが、料理をきちんと引き立てて邪魔することなく、かつ一緒に楽しめました。

 

 

次はカプチーノの中に何かあるのかな?と思ったら。。。

 

 

プリップリで甘くて美味しいロブスターのグリルが出てきて。。。

 

 

カプチーノの上にはズッキーニのお花が載せられて。。。

 

 

中にはロブスターの身や味噌を使ったぷるんとしたムースが入っていましたー。

 

 

ロブスター三昧という感じで、普段は健康の為にロブスター食べないようにしているんですが、美味しくヘルシーかつ全て堪能したのでヨシとしましょう、です。

 

 

いよいよ、メインのお肉の登場ということで、赤になりました。

 

 

ビーツ、赤身のお肉、ハイビスカスは、ちょっと待っててくださいねと。

 

 

ローズマリーのオイルかな、パパッとビーツのスープに振りかけてくれました。

こういう演出も楽しくて気分が上がりますよね。

 

 

お肉は鳩で、一口食べた瞬間に何故かアラン・パッサールのダックを思い出しました。

 

 

下の画像はアルページュで食べた美味しかったダックの逸品。
ビーツとハイビスカスかラスベリーだかの風味っぽかったですが、違っていたらごめんなさい。

でも絶妙な火入れや爽やかな甘酸っぱさで食欲を沸かすソースが美味し過ぎて、お腹いっぱいだったのに平らげた記憶があります。

 

そしてアラン・パッサールといえば、野菜の逸品が有名なんですが。

下の画像も2008年の訪問時のもので画質が悪いですが、見た目も華やかで野菜一つ一つが本当に美味しかったです。

こんなに美味しい野菜なら毎日食べたいからダイエット出来るのになあと当時話していたのを思い出しました。

 

 

アラン・パッサールといえば、昨年韓国でルイ・ヴィトンとコラボして期間限定レストランを営業したり、上海などでもVIPパーティに起用されていましたが、香港でもレストラン企画してくれたら絶対に行くのになあ、、、。

 

 

話はFeuilleに戻りまして、、、ビーツのフライ。

とんかつみたいな感じで、クリスピーな衣とジューシーなビーツで葉っぱと一緒に。

隣のビーツのスープも美味しかったです。

 

 

 

最後の第3部は、Flowers & Fruits(花と果実)。

 

ちょっぴり驚いたのは、一応パリで2つ星なのでドレスアップしましたが。。。

半分くらいは普段着っぽい普通のシャツやTシャツとジーンズ。

ブランド系もあるかもですが、日本や欧米ではあまり見られない風景で興味深いです。

カジュアルなお店ではよく観る光景ですが、終始スマホ見ながら会話もせず黙々と食べていたカップルや家族連れも少なくなかったです。

 

 

デザートはテーブル・サイドでのパフォーマンス。

 

 

メロン、サフラン、バジルは、どれもふわっと口溶けも良く、香りや味わいも爽やかで、他のメニュー同様、嫌な後味がなくていい感じです。

 

 

この辺で流石にお腹が膨れてきて、ワイン少しだけ残しちゃってます。

 

元々お酒はそんなに強くないですし、健康の為にも普段自宅ではワイン1、2杯でセーブしていて、ワインと日本酒のちゃんぽんとなると二日酔いの頭痛が心配だったんですが、全然大丈夫でした。

オーガニック系が多いからか、シェフのメニューが身体に良いものばかりだからか、お水も1、2杯くらいでアルコールは7杯近く飲んだのに、全然酔うこともなく二日酔いもなく、夜もぐっすり眠れて翌朝もスッキリ目覚めて不思議でした。

 

もしかしたら最近愛用しているアーシング・シーツとマットの効果かな?

*また後日レポしますね。

 

 

トマト、ストロベリー、ロンガン。

 

 

デザート類も実はもちろんのこと、葉や茎や種や皮までくまなく使用してるんですよ。

上の赤い粉末もトマトの皮だったりで、ふわふわで冷たくて甘くて美味しいエスプーマに皮の程よい酸味と風味がアクセントになっていていい感じ。

 

 

チョコ、エスプレッソと、カリフラワーとココナッツ。

どちらも優しい風味で素材の良さを堪能出来ます。

 

 

ミソ、メレンゲ。

白味噌だったかな?

ミソと言われないと分からないくらい少量で、ふわっと甘くねっとり広がります。

 

 

事前にカフェイン抜きでお願いしたところ、色々と考えてくださりました。

最後までしつこくなく、色々な風味や香りや食感や味わいが楽しめて、口疲れも胃もたれもないままフィニッシュしましたー。

 

 

ソムリエの知識や熱意もスタッフのホスピタリティもオープン仕立てとは思えないくらい良かったです。

 

この交差点って、上環に入ったなあって思う場所ですよね?

 

 

待機していたドライバーさんの車を待ちながら、美味しかったねえと。

 

 

Feuilleのコンセプトや料理、素晴らしかったです。

サステナブルな姿勢もお見事で、ぜひ香港でも広げていって欲しいです。