香港極妻日記

海外生活30年目の「極妻(極道ではなく、極楽なアメリカ人妻の略)」の楽しい香港での生活、旅行、美味しいモノ、愛犬の話等、さくっとご紹介♪

香港の詰めが甘い詐欺電話

香港ではセールスなどのスパム・コール(迷惑電話)は、大抵8桁の電話番号が2か3から始まるのでなるべく無視して出ないようにしていますが、出ない時に限って病院からだったりお店の予約だったりと、なかなかに厄介だったりします(笑。

 

電話会社によっては、スマホに電話がかかってきた際に、画面に電話番号と共に「この番号は迷惑電話にリストされています」という表示をするところもあるそうです。

 

ただ自宅にある固定電話の場合はそういう表示もなく、海外からのスパム・コールやスキャム・コール(Scam call・詐欺電話)の場合は「アウト・オブ・エリア(圏外)」とだけ表示される場合が多く、今時は日本を含む海外に住む友人知人からの電話はLINE電話やFaceTimeやzoomが殆どですが、ごく稀に海外在住の友人知人から固定電話にかかってくる場合があるので、一応出るようにしています。

 

 

 

昨日は自宅にリフォーム業者が来ていて朝から夕方まで工事だったので、度々作業をチェックしたり、あちこちに業務連絡したりとずっとバタバタしていて気持ちに余裕がない時にスキャム電話が掛かってきました。

 

最初からなんだか設定がおかしいと思いつつも、業者とのトラブル対処で書類に目を通しながらの応答だったので脳がフル稼働しておらず、ながら電話?と言えどもうっかり相手をしてしまい、詰めが甘過ぎる設定のおかげで我に返って笑いながら電話を切りましたが、ながら電話?だったので危うく個人情報を出しちゃう寸前でした。

 

 

 

電話に出ると、ものすごいインド訛りの英語を話す男性でした。

 

香港の迷惑電話の大半が中国語なので、この時点でどこかから手に入れた情報@我が家が英語を話すことを知っていました(今時は情報ダダ漏れなので、特に驚きません。

 

インド人:PCCW(香港の7割を占める通信最大手企業で固定電話、TV、ブロードバンド接続サービス、携帯電話を一括提供)ですが、お宅のインターネットにウイルスが感染しています。

 

極妻:ウイルスって、どんなウイルスですか?

 

インド人:バッド・ウイルスです。今すぐ駆除しないと大変なことになります。

 

極妻:インターネットのウイルスなんですか?それならお宅のITチームが社内で駆除すればいいことでしょう?

 

インド人:残念なことに、既にお宅のインターネットにウイルスが入り込んでいるんですよ。今すぐ僕と一緒に駆除しないといけません。

 

極妻:インターネットにウイルスが入り込んだなら、もう使えないと思うんですが。

 

インド人:今ならギリギリまだ間に合うんです。僕が手伝うので一緒に駆除しましょう。まずは確認の為に香港IDの番号を教えてください。

 

極妻:本当にPCCWのスタッフなんですか?怪しいですね。知ってて掛けているなら、香港IDを言う必要はないですよね。

 

インド人:本当ですよ。その証拠に、あなたの名前はミセス〇〇ですよね。そしてアドレスは、〇〇、〇〇XX(発音ミス)ですよね。

 

*私は旦那さんとは別性で、旦那さんが加入しており通常は加入者しか大半の権限はないので、過去に電話やネットの問題時に私がPCCWに電話すると、ものすごい数の確認が必要だったり、旦那さんの許可を確認した上でしか対処してくれなかった時もあったくらい厳しいシステムなので、こんなユルユルな逆確認はまずもってあり得ません(笑。

 

極妻:ご存知の通り我が家はプレミアム・サービスに入っているので、自分でやるのは面倒なので、スタッフを今すぐ我が家に送ってください。

 

インド人:出向かなくても僕が言う通りにやれば簡単に駆除出来るので大丈夫です。安心してください。

 

極妻:そんな簡単な遠隔操作でどうにかなるウイルスなら、社内でちゃっちゃと対応出来ないんですか?

 

インド人:今すぐやらないと非常に危険なんです。とにかくパソコンとか持ってないですか?今すぐ開いてください。

 

極妻:パソコンならありますし、開いてますし動いてますし、そしてWi-Fiも問題なく動いてますけど。

 

インド人:あー、それは大変危険です。素人のあなたには分からないでしょうが、今すぐ駆除しないとWi-Fiも即使えなくなりますよ。

 

極妻:もし使えなくなったら、そちらが本社で対処すべき問題でしょ?私個人のインターネットにウイルスが入り込んだことをなぜあなたが知っているんですか?それこそあなたが私のパソコンにウイルス送って既に感染させていて、勝手に他人のパソコン覗いてるってことですか?

 

インド人:違います。。。

 

極妻:じゃあどうして私のインターネットがウイルス感染しそうだと分かるんですか?

 

インド人:僕はPCCWのテクニシャン(修理担当)なので分かるんですよ。今とても危険な状況で、今すぐパソコンとかを開かないとWi-Fiが止まりますよ。パソコンの他にスマホやタブレットはありますか?

 

極妻:ありますけど。

 

インド人:なら今すぐ全部開いてください。

 

極妻:開いてますけど、特に表示や動作の問題もないですし、Wi-Fiも問題ないですし。

 

インド人:早く駆除しないと使えなくなりますよ。いいですか、今から僕が言うことをやってください。まずは、、、。

 

極妻:きゃー、ウイルスに感染したわー、ウイルスのせいで電話が使えなくなって、勝手に切れちゃうわ〜(と、ガチャ切りして終了。

 

 

 

もう途中から笑いを堪えるのが大変でしたが、香港の会社なのにインド訛り英語でのスタートからして終わっていますし、騙すならもう少し専門用語を覚えるとか、マシな設定にしないと今時こんなので引っ掛かる人いるんでしょうかね??

 

という話をリフォーム業者のボスにしていたら、なんでも香港ではこういった詐欺電話が非常に多く、最も簡単に皆が引っ掛かってしまうそうで、詐欺電話の被害額はなんと日本を遥かに超える莫大な額なんだとか(汗。

 

しかも大半の被害者がお年寄りなんだそうで、そういえば実家の家族も苦手意識からITリテラシーが低かったなあと思い出して、実家の家族にも向けて今回投稿してみた次第であります(笑。

 

私もバタバタして忙しい最中に電話に出たので、最初は「は?」と思いつつも、普段ならすぐ切りますが、うっかり相手をしてしまうくらいに半信半疑に陥っていましたしね。

 

今回はセーフでしたが、怪しいと思いつつも「確認の為にお聞きしますが」なんて聞かれたら、危うく個人情報を考えなしにベラベラと喋りかねないですからね(汗。

 

 

 

この件をリフォームの件で連絡してきた旦那さんにも報告したら、「それはすぐにPCCWのカスタマーサービスに電話して、こういう詐欺電話があったことをインフォームしてあげるべきだよ」と言うので、PCCWに電話してみたところ。。。

 

極妻:先ほどPCCWのスタッフを名乗る人から電話があり、インターネットにウイルス感染したという設定で、パソコンとタブレットとスマホ開かせて、HKIDやそれ以上の個人情報を聞き出そうとしたか、本当のウイルス感染させるとかでお金を騙し取ろうとした電話詐欺が掛かって来たので、被害には遭いませんでしたが連絡した方が良いかもと思って電話しました。

 

PCCW:なるほど、で、Wi-Fiは問題ないですか?

極妻:はい、詐欺電話なので最初からWi-Fiは問題ないですよ。

 

PCCW:では、それではこちらで出来ることは何もないと言いますか、、、。

 

極妻:えっと、、、そうではなくて、PCCWのスタッフを名乗る詐欺電話があったので、きっと私だけではなくて香港の他の家庭でも同じ詐欺電話が横行していると思うので、PCCWさんとしては念の為に上に報告するとか、サイトのバナーで注意喚起するとか、お年寄りにDMなどで注意喚起するとか、そういったことでフォローされるのかなと思って、参考までに報告しているんですが。。。

 

PCCW:Wi-Fiは動いているんですよね?それで他に問題はないんですよね?だとすると、こちらでは何も出来ないので。。。

 

極妻:わかりました。香港では詐欺電話が多く、少しでも何かのお役に立てればと思って連絡したまでなので、さようなら。

 

 

 

という感じで電話を切りましたが、まさかの対応には横でスピーカーで聞いていたリフォーム会社のボスが「香港の悪いサービス典型というか、まあ香港あるあるだね。せっかく会社の為にと教えてあげたのにね。」と失笑してました。

 

ボス曰く「最近の電話やSMSやチャットなんかは病院と家族友人以外は全て詐欺だと思った方がいいくらいだよね。」と言うので、旦那さんのWhatsAppに届いた詐欺の話をしました。

 

ある日旦那さんのWhatsAppにボスからの動画メッセージが届きました。

 

普段から仕事関係者とはWhatsAppや他の通信アプリで連絡を取り合っているので、ボスともよくチャットはしているものの、動画メッセージは初めてだったので、最初からちょっと胡散臭かったようです。

 

動画を開いてみると、ボスがある重要プロジェクトについての特別な指示を出している動画のメッセージでした。

 

普段から重要だったり大きな案件の際はチャットではなく社内メールか電話の限定なので、すぐにボスに電話して秘書さんに確認すると、そんな指示は出していない、とのこと。

 

すぐに動画の件を全スタッフに注意喚起して事なきを得ましたが、下手したら数十億ドルの被害だったそうなので、本当に怖いですよね。

 

何が怖いって、その動画はAIで作成された物で、私も見せてもらいましたが、ボスの過去のインタビュー動画などから緻密に構成されていて、一見すると本当の動画にしか見えませんでした。

 

しかも個人間のWhatsAppに送ってくるとは、もう隙だらけというか、何を信じたら良いのかで、、、便利なようでどんどん厄介な世の中になりましたね。

 

 

 

という話をリフォーム会社のボスにしていたら、ボスの娘さんがスイスの大手企業で働いているそうで、その会社のボスが電話詐欺の被害に遭ったそうで、毎回5億香港ドルの振り込みをして、合計で4回も騙し取られたそう(汗。

 

被害届を出しても捕まらず、そしてお金も戻って来ず、だったそうです。

 

5億香港ドルは日本円だと今の相場で10億円くらいなんですが、どうして最初に詐欺だと疑わなかったのか、何度も引っ掛かってしまったのかと聞くと、スイス人のビリオネアーすら惑わされてしまう特殊な投資詐欺だったようです。

 

というわけで、知らない相手の電話やメールやSMSなどのリンクは開かない、開いても疑わしい場合はこちらから連絡して確認する、美味しい話には決して乗らない、専門業者からの緊急連絡でも一度切ってこちらから連絡して確認する、という感じですかね。

 

大抵重要な連絡の場合は、電話に出なくても無視しても途中で切っても、本物であれば何度でも折り返してくるはず、ですかね。