香港極妻日記

海外生活30年目の「極妻(極道ではなく、極楽なアメリカ人妻の略)」の楽しい香港での生活、旅行、美味しいモノ、愛犬の話等、さくっとご紹介♪

モルディブでダイバーがサメに襲われたニュース

数年前までモルディブの一部のリゾートでは余興の一つとしてスティングレイ(アカエイ)やサメのフィーディング(餌付け&餌やり)イベントがありました。

 

我が家も昔バンヤンツリー・ヴァビンファルに滞在した際に、エイの餌付けショーを見たことがあります。

 

gokutsuma7.exblog.jp

 

エイの尾にある棘に刺されると身体中に毒が回って激痛が走り最悪死に至るそうで、当時はスタッフからも決して近づかないようにと(英語で)忠告があり、ショーの間はジェッティの上から離れての見学でした。

 

実はこのショーをまだ知らなかった時に、仲良くなったゲスト夫妻から餌付けショーを催行している場所で「夕方ここら辺を泳いでいると数枚のエイが近くに来るんだよ」とシュノーケルに誘われたことがありました。

 

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数枚のエイとなるとうっかり刺されそうで怖くて行きませんでしたが、もし行っていたらお腹を空かせたエイの大群が餌の時間と間違えて興奮して割れ先にと人の近くに寄って来たりして、刺すつもりはなくても興奮状態でわちゃわちゃしているので近くにいたらうっかり刺されてしまっていたかもですよね(汗。

 

 

 

それと同じことが、モルディブのサメの餌付けダイビング・ツアーで起こりました。

 

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↑このツアーでは、ナース・シャークが多いポイントでゲストにシュノーケルさせて、サメを誘き寄せる為にゲストの近くに次から次へと魚の切り身を放り投げます。

 

餌の匂いに興奮したナース・シャークたちは、上から降ってくる切り身を我先にという感じで口を開けて齧り付きます。

 

そんな混沌とした状況の中でスキン・ダイビングを試みた女性の肩が(夜行性であまり目の良くない)ナース・シャークの頭に触れた途端、サメは降ってきた切り身と思い、ガブリっ!!

 

餌だと思って噛みついたら実は女性ゲストの脇腹だった、という大変お粗末な話です。

 

こんな無謀なツアーを企画した会社もですが、SNS用の映え動画を撮影すべく、わざわざビキニ姿で間近でスキン・ダイビングするロシア人女性も、、、(汗。

 

まあ結果的には違う意味での映え動画となってかなりバズったので本人はしてやったりかもですが、モルディブのちゃんとしたサメ専門ダイビング・ツアー会社にとってはいい迷惑でしかないですよね。。。

 

 

 

↓次も同じく無謀なツアー会社のサメの餌付けツアーに参加した際の動画。

 

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こちらは今年2024年の2月にマレの近くで起きた事故の動画です。

 

実はモルディブでは雑なサメの餌付けツアーにより怪我人が数名出たことから、2021年3月からはサメの餌付け自体が違法となり禁止されています。

 

ところがそれを知りいながらも一部ダイバーの中で根強い人気で需要があるからと、お金儲けの為に幾つかのローカルのツアー会社が密かに続けているそうですが、そんな雑な餌付けツアーの最中に起きた事故でした。

 

一見すると凶暴なサメが近くにいたダイバーに噛み付こうとしたり何度も体当たりしているかのように見えますが、コメント欄に詳細が載っていました。

 

コメントによると、、、

 

このツアー会社のガイドが、より沢山のサメを近くに寄せ集める為にと、血の滴る大きな魚の頭をロープで括り、先に鉛の重りを使って沈めて吊るしていたそうです。

 

そこへ数匹の大きなスピナー・シャーク(ハナザメ)がやって来て、うち1匹のサメが魚の頭を飲み込んだ際に鉛がついたロープごと飲み込んでしまい、慌てたガイドが咄嗟にサメの口からロープなどを取り出そうとした途端、(多分罠に掛かって人間に襲われたと思って)パニックになったサメが必死に逃げようとして、ダイバーらにぶつかって大怪我させた、というのが実際の話だったようです。

 

この後ちゃんとロープと錘は外せたのかは分かりませんし、無責任でくだらないお金儲けの為に1匹のサメが犠牲となり、また数名のダイバーが大怪我を負いました。

 

もうこのツアー会社は同じ場所では催行しないかも知れませんが、人間に痛い目にあったサメはこのことを決して忘れませんし、もしかしたらトラウマから威嚇や攻撃をしかねませんよね(涙。

 

 

 

次の動画をご覧ください。

 

こちらはコンラッド・モルディブでのサメの餌付けの最中の海中での動画です。

 

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動画を撮影した本人は映える動画が撮れたと大喜びかもですが、下手したら噛まれていたかも知れないですよね。

 

幸いにもブラックチップ・シャークという人を襲わないサメですが、エイの餌付けと同じでサメも餌付けするうちに、人間=餌を持っている、と覚えます。

 

サメは嗅覚に優れているので、餌と認識している血が滴る魚の頭には当然興奮します。

 

そして多数いる場合は我こそはとばかりに競争となり、それこそ一番先に噛み付いたもの勝ち状態になるので、うっかり噛んでしまう事故が起きかねません。

 

また本来持っているサメの狩猟行動や食事を変えてしまうことで、生態学的役割に混乱を引き起こす可能性もあります。

 

そしてこういった変化は、資源のための他の種との競争を引き起こしてしまい、海洋生態系の微妙なバランスを乱す可能性もあり、やがては生態系全体に広範囲に及ぶ悪影響も起こしかねません。

 

 

 

続いてもモルディブでは違法であるサメの餌付けダイビング・ツアーに参加したダイバー数名が餌に釣られて興奮して探しまくるサメに突かれたり噛まれた際の動画です。

 

こちらはサメと安全にダイビングを楽しむエキスパートとしてハワイで人気の高いガイドのケイことケイリーさんが動画を観ながら、ダメ出し付きで解説しています。

 

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動画には、大きな魚の頭を左手に持つガイドが、一箇所に集まらずに点在しているゲストの近くにサメを来させようと、あちこちにいるゲストのところに魚の頭を持ったまま移動し続けては、魚の匂いに釣られて餌を食べようと近付くサメの鼻先を毎回手のひらでギュッと押し戻す行為をすることでお預け状態を繰り返す様子が映っています(汗。

 

魚の匂いで興奮しているサメが魚の在処を探しながらガイドに近づいては何度も焦らされた結果、やがて魚を持っていないダイバーらまで闇雲にチェックし始めて、点在するダイバーが次々とサメに突かれたり噛まれそうになったり、小柄な女性に限ってはしっかり手を噛まれています。

 

ケイリーさんの解説をざっくり要約すると。。。

 

ガイドが無責任過ぎて引いてしまうが、ガイドは常にゲストの安全を一番に考えるべきで、事前のブリーフィングすらされてないようで、ガイドなしでゲストがバラバラに散らばるなんて危険なので全員がまとまり、そして先頭にはガイドが立つべきと。

 

サメのツアーでは、常にサメがどこにいるか確認し、サメに後ろ姿を見せず、サメが近寄ってきたら決して慌てず動いたり逃げたりせず、そして正面からしっかりサメと目を合わせることにより自分が弱った獲物ではなく強い捕食者であると認識させることが大事だと。

 

(サメが女性ダイバーのタンクに噛みつこうとしていたシーンを見て)下手したら酷い事故になっていたかも知れないので、こういう場合は他のダイバーが誰かの後ろに近づくサメを見たら、それを指差すことで互いに知らせ合うことが大事だと。

 

(やってくるサメに向かって、スティックを振り回しサメを避けようとしていたゲストに対し)こういう仕事はガイドの役目で、ガイドは常にサメからゲストを守る位置にいるべきで、ゲストのこういったわちゃわちゃした動きはサメから見ると怖がったり弱っている獲物と認識されやすく襲われかねないので、ゲストは出来る限りじっとしてむやみやたらと動いたりしないようにと。

 

(サメに餌を持っていると思われて何度も突かれているゲストに対して)タイガー・シャークなど大きなサメに襲われると酷い大怪我をしたり生命の危険にさらされることもあるので、ゲストには事前に万が一サメが向かって来た場合にどうするかきちんとレクチャーしたり、ゲストがこんな目に遭わなくても済むようにガイドが常に守るべきと。

 

(同じゲストが何度かアタックされそうになっているのを見たガイドが、特に何もせずただ持っていた魚の頭を手放して海底に落とした際に)ガイドはサメがゲストを攻撃しているのをただぼーっと見ているのではなくて、すぐにゲストを助けに行くべきと。

 

(最後に女性ゲストが手を噛まれた際に)幸いにも軽く噛まれた程度で済んだみたいだが、タイガー・シャークだけに下手すると手や腕を失っていたかも知れないと。

 

幸いにも今回はサメが餌はどこにあるのかなと探し続けていただけで特に大きな怪我もなくて済んだみたいだが、場合によっては焦らされてカッとなったサメが手当たり次第ダイバーに噛み付いたりすることも起こり得るので、サメのツアーは楽しいけれどもちゃんと訓練された評判の良い会社のツアーに参加するようにと締めくくってています。

 

 

 

ケイリーのインスタグラムのサメと泳ぐ動画はとても有名なので、一度は見たことあるかもですが、サメが向かって来た時の対処法の動画を貼っておきますね。

 

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もしサメが向かって来たら、慌てて逃げようとすると弱っていたり怖がっている獲物と思われて襲われることがあるので、決して慌てて動いたり逃げたりしないこと。

 

落ち着いてじっと動かず正面にからサメと向き合い必ずアイコンタクトを取り、必要であれば(寄ってきたサメの)鼻先を掴んで違う方向へ押しやるなどして逸らすこと。

 

なんだか前半部分の落ち着いて動かずに向き合う部分に限っては、ゴマモンに襲われそうになった時と似てますね(笑。

 

ゴマモンに襲われた際は、慌てず向き合ってフィンで蹴り飛ばす感じで威嚇し続けると、大抵は諦めてすごすごと帰って行きますからね。

 

でもゴマモンですら頭の中では分かっていても襲われた時は一瞬パニックになって逃げ出したくなるくらいなので、実際にガイドなしでサメに襲われそうになったら、逃げずに向き合うのってものすごく勇気と覚悟が要りますよね(汗。

 

 

 

また誤解のないように補足ですが、同じサメでもモルディブのリゾートのハウスリーフで見かけるブラックチップ・シャークやナース・シャークはとても大人しく、どちらかというと怖がりだったりして、こちらが威嚇が攻撃しない限りハウスリーフを泳いでいる人間を襲うことはまずありません。

 

 

稀に興味深そうに数メートル近くまで寄ってくるリーフシャークもいますが、いずれも「人間は獲物でも捕食者でもない」とちゃんと理解をしていて、大抵の場合は近くを回遊する程度で、さーっと通り過ぎて行きます。

 

 

私もこれまでに20年近くモルディブを訪れていますが、ゴマモンガラに襲われたことは一度だけありますが(笑)、サメに襲われたことは一度もありません。

 

一度だけリゾートのフィンが合わなくて泳いでいるうちに靴擦れみたいになって踵から出血していた際にリーフシャークに遭遇しましたが、魚の血には超敏感な鼻を持つサメでも、私の血には全くの無関心でした。

 

また上の動画などに出てくるナース・シャークは夜行性で目があまり良くないそうで、私もたまにハウスリーフの岩陰で昼寝をしているナース・シャークを見かけますが大変大人しくて、ひたすら寝ているか、たまに見られているのに気づいたら鬱陶しそうに逃げて行くくらいです。

 

ノーチラスのバトラーからサンセット・シュノーケルを勧められた際に聞いた話では、夜間になるとナース・シャークが起きて獲物を探そうと泳ぎ回る姿が見られるそうで、真っ暗な海中でも特に危険性はなく、人間を襲うことは皆無とのことでした。

 

 

ただしサンセット・シュノーケルの際は、サメよりも全然危険な魚がいるそうで、それが下のダツ(嘴の尖った魚)なんだそう。

 

 

懐中電灯を照らすとダツが自分たちの餌である小魚の放つ鱗のキラキラした反射光と勘違いして、餌の群れだ〜!と突進してくることが稀にあるそうで、万が一刺されると血だらけになったり刺される場所によっては命を落としかねないそう(汗。

 

 

↑確かにかな〜り尖っていますよね(汗。

 

 

 

というわけで、ツアーに参加する際には、しっかりと口コミなんかをチェックして見極めることが必要みたいですねー。

 

モルディブに限らずですが、ダイビングやシュノーケルなどのツアーに参加する際には、健康状態の確認と事故の際の免責同意書にサインが必須になっています。

 

モルディブのダイビング・ツアーに参加したダイバーの中には心臓病などの持病でダイビング中に亡くなられることが毎年数件あるそうで、中にはダイビングしたいがあまりに持病を誤魔化したり嘘をついて参加するゲストもいるそうで、ツアー会社としては訴訟などのトラブルを回避する為に健康確認と同意書で会社と自分たちを守っています。


そして免責同意書に同意してサインすると、事故が起きて怪我しようがサメに噛まれて腕がなくなろうが最悪死のうが、当然ながらツアー会社からの補償は一切ありません。

 

同意してツアーに参加した時点で全て自己責任となります。

 

上の動画のようなサメの餌付けはモルディブでは禁止されているので、催行しているのはもれなく闇営業ということになります。

 

お金儲けの為だけに違法にツアーを催行している無責任なツアー会社は避けて、どうぞ長年に渡り口コミや評判が良くて、かつしっかり事前にブリーフィングが行われ、ツアー内容も(餌付けなしで)純粋にサメなどを見学するツアー会社のダイビングやシュノーケルのツアーを選んでくださいね。