シュノーケリングから帰ってきてシャワーを浴びた後、明日が最終日なので、今夜は友達と一緒にデッキでのんびりサンセットを楽しむことにしました。
風速は11ノットとそれほど強くないのに、スコールの後に風が強くなったようで、プールの水が風でデッキに吹き飛ばされていたり、波もさらに高くなっていました。
今夜は最後のサンセットですが、残念ながら雨雲に隠れてしまったようです。
私たちは今回、アルコールを含むドリンク飲み放題のプレミアム・オールインクルーシブプランを利用しましたが、ヴィラではお水しか飲まず、無料のビールやソーダ、ジュースには全く手をつけませんでした。
さらに、ウェルカム・ギフトとしてもらったシャンパンのハーフボトルも残っていたので、せっかくなので開けることにしました(笑。
お酒が強くない友人は舐めて終わりでした(笑。
なぜヴィラでアルコールを飲まなかったかというと、友人はほとんどお酒を飲まず、私も食事の時にしか飲まないので、飲む機会があまりなかったからです。
それに加えて、ヴィラとデッキが狭く、ヴィラには日陰がなく、午前10時から午後5時半くらいまでの間は耐えられないほどの暑さでした。
さらに、ヴィラのエアコンが全く効かず、朝から晩まで蒸し暑いので、食事をしたら汗だくになりそうだったため、朝昼晩と涼を求めてレストランやバーに出かけていました(笑。
昨日、バトラーから稼働率が45%に増えたので、夜のビュッフェを再開しようかと考えていると聞きましたが、他のスタッフに確認したところ、実際には32〜35%ということで、ボーダーラインの32%を切るとビュッフェがなくなるそうでした。
なぜゲストに嘘をつくのか不思議でしたが、他のリゾートと同じように、見た目からは空いているのが明らかでも、雨季でも非常に賑わっている人気のリゾートという印象を与えたいようで、そのために45%と誇張していたようです。
稼働率が低いため、採算が合わない夜のビュッフェは未体験のまま終わってしまいましたが、こうした見栄のための嘘で、ビュッフェがあるかもしれないと無駄に期待してしまうので、勘弁してほしかったです(笑。
友達と、そういった嘘やトリックも含めてたくさん笑えて楽しかったねー、とおしゃべりしながらレストランに向かいます。
今夜はカギで一番気に入っていたケウンでのディナーです。
今は辞めてしまったようですが、昨年の初夏にケウンを担当していたフィリピン人シェフの作る料理は本当に美味しかったです。
ただし、辛い料理などはゲストの8割を占める中国人の好みに合わせて香辛料や調味料などを控えているため、何も知らずに注文するとぼんやりとした風味の料理が出てきます。
そのため、必ず注文の際には「本場の辛さや味付けでお願いします。」とリクエストすることが重要でした。
今現在は、多分イギリス人のエグゼクティブ・シェフが監修していると思うので、中国人ゲストに合わせて更に薄味になっているかもしれません。
テーブルに案内されると、モルディブのリゾートでよく見かける色付きのお米で「See You Soon(また来てね)」と書かれていました。
ドリンクとフードを注文し終えると、パンとディップが届きました。
今夜はシラーの気分でしたが、プレミアム・オールインクルーシブ・プランにはないそうで、ピノ・ノワールにしました。
友人はお水で、私はピノで、最後の晩餐に乾杯です。
今夜のアミューズは、なんとお寿司の天ぷらでした(笑。
見たままの味でした(笑。
私の前菜はタコスで、少し濃いBBQ風味のチキンが割かれて詰められていて、お肉がたっぷりで見た目以上にボリュームがありました。
中国人ゲストに合わせて辛い料理は控えめに辛さを調整しているようでしたが、BBQなど彼らがよく知っているソースは濃厚だったため、メニュー全体のバランスの悪さを強く感じました。
友人の前菜はスプリングロール(揚げ春巻き)でした。
味見をしたところ、野菜やキノコが入っていて、しつこい風味はなく、揚げてあるため油っぽさはあるものの、意外と軽やかでさっぱりとした食感でした。
私のメインは、ラクサです。
以前SNSでも見かけましたが、スープを後からかけるというオシャレな演出付きでした。
友人のメインは、ビーフのマッサマン・カレーです。
どちらもスープのような料理なのに、スプーンを持ってきてくれなかったので、レストランの中にいるスタッフに目を向けると、カウンターでおしゃべりに夢中でした(苦笑。
仕方なく手を振ってみると、1人が気づいてくれて、ダッシュでスプーンを取りに行ってくれました(笑。
友人のカレーは前回と同じく、しっかりした味付けのマッサマン・カレーで、ビーフもよく煮込まれていてほろほろで美味しかったそうです。
私は待望のラクサを食べてみたところ、、、辛さも味も感じられず、ココナッツミルクの味だけがしました。
私の体調が悪いのかと思い、友人にも味を見てもらいましたが、やはり全く味もスパイスも感じないとのことでした。
それで、近くにいたマネージャーに声をかけて、「すみませんが、ほとんど味がしないんですが。。。」と話したところ、「そんなはずはないと思いますが。」と言うので、「一度味見をしてみてください。」と言うと、すぐにスプーンを持ってきて、その場で味見をしてくれました。
そして、「本当ですね、全く味がしませんね。失礼いたしました。とても貴重なフィードバックをありがとうございます。シェフに今すぐ新しいものを作り直させますので、しばらくお待ちください。」と、これまでのカギでの残念な経験からすると、かなりまともな対応だったので、嬉しく思いました。
5分ほどで新たに作り直されたラクサが届きました。
またスープを後がけするという、少し手間のかかる演出がありましたが、それ以上にまた薄味だったらどうしようと考えると、ドキドキが止まりません(苦笑。
味見してみると、すごく美味しい本場のラクサのピリ辛スープになっていて、マネージャーもしっかり確認しにきてくれました。
ラクサは中華圏で非常に人気のあるメニューであるため、カレーなどとは異なり、中国人ゲストに合わせてマイルドにする必要はないはずなので、マネージャーに尋ねたところ、なんとラクサに関してはロシア人や中東の人々、さらには欧米人から「シーフードの匂いが強すぎる」という苦情が寄せられており、その原因となる海老ペーストを取り除いていることが分かりました(笑。
驚きの事実に笑っていると、マネージャーが「それにしても、先ほどのラクサはエビはおろか、味やスパイスも全く感じられなかったので、非常に薄味でしたね。」と苦笑いしながら再度お詫びの言葉を述べてくれました。
「食事に関して他にも何かご意見があれば、フィードバックをいただけると助かります。」と言われたので、正直に「作り直していただいたスープは本場の味で美味しかったですが、どちらのお皿も海老もホタテも卵もイカも野菜も冷蔵庫に保管されていて注文が入った時点で冷蔵庫から出して、温めることなくサーブしているようで、届いた際に冷たかったので、熱々のスープをかけても、すぐにスープが冷たくなってしまった点が残念でした。中華圏では冷たい麺はあまり好まれないため、温かさが重要だと考えます。」と答えました。
すると、「冷たくなってしまっている点は全く気づきませんでしたし、中華圏の麺の温度の好みに関しても全然知りませんでした。このように現地で正直なフィードバックをいただけると、メニューやキッチンの改善にも繋がりますし、作り直すことでお客様の滞在をより幸せなものにできるチャンスがいただけるので、大変ありがたいです。」と言われました。
本当にカギのレストランがこれを機会に改善してくれるのか、ただマニュアル通りに答えているだけなのか、そこら辺は置いておいて(笑。
カギだけでなく、他のリゾートでも「美味しい」としか言わないゲストが多いようで、それでもたくさん残すことがあるという声をよく耳にします。
アジアやロシアの一部のSNSインフルエンサーが、撮影目的で大量に注文し、ほとんど手をつけずに残してしまうことがあるため、味が悪くて残しているのかどうか判断がつかないことがあるそうです。
「辛い」と文句を言うゲストは結構な数いるそうですが、その他の点に関してはほとんど意見がないそうで、困っているようでした。
メニューを改善するために本当の声が聞きたいと言う声をよく聞くので、最近はやはり正直に伝える方が良いのかもと考えるようになりました。
今夏に滞在した中国人ゲストが大半を占めていたリゾートでは、ゲストに合わせて一部の料理の辛さが控えめで、味がぼんやりしていたため、正直にバトラーに伝えたところ、感謝され、その流れでフィードバックについて話が進みましたが、同じようにゲストからは「美味しいです。」としか言われず、残しているゲストも少なくないとのことでした。
マネージャー曰く、スパやツアーはたまに休みのスタッフが体験する機会はあるものの、料理に関してはシェフやラインクック以外が口にするチャンスは少なく、なかなか気付けないとのことでした。
かといってゲストが残したものを食べるわけにもいかずで、残した理由は、不味いからか、量が多いだけか、味が薄いか濃いからか、食材の問題なのか、全くわからなくて困っているそうでした。
確かに、私も以前にあまり美味しくない料理を食べた時、自分なりに気を使って「量が多かったので、残してしまってごめんなさい。」と理由をつけて残していたことがあったので、少し考えさせられました(苦笑。
リゾート側は、建設的で正直な意見を求めつつ、同時にゲスト全員に最高の時間や思い出を体験してほしいと願っていると思うので、もし万が一口に合わない場合は、正直に話してみると良いかもしれませんね。
また前菜とメインだけでお腹がいっぱいになってしまったので、デザートは諦めて、マネージャーやシェフ、ウェイターたちに感謝の気持ちを伝えてさようならしました。
夜のジェッティも今夜が最後だと思うと、本当にあっという間で寂しいねと友達と話しながら帰りました。