2023年夏に滞在したノーチラス・モルディブでは、2023年の10月から新しいGMが就任しました。
同時期にエグゼクティブ・シェフも新しく就任しています。
2023年夏の滞在中にお世話になった日本人のエグゼクティブ・シェフのケンゴ・トミタ氏は、その後アマンプロに転職されましたが、どうやら一年で辞められたみたいですね。
2023年夏の滞在中限定ですが、ノーチラス・モルディブの食事は正直ヒット&ミス(当たり外れ)が多く、トミタ氏が担当したスペイン料理のメニューは大変美味しかったですが、オペレーションの問題みたいで、翌日に他のシェフが担当したメニューは味付けも火の入れ方も違っていました。
10年前に滞在した際のアマンプロの食事も、特にフィリピン系の朝食があまり好みではなかったので、ケンゴ・トミタ氏監修であれば行ってみたいと考えていたので、非常に残念です。
*10年前のアマンプロの旅行記です。
そしてこの度、2025年2月から新しくGM(総支配人)としてノーチラス・モルディブに就任したのが、アダン・ゴメス氏です。
これまでのキャリアを見てみると、セント・ビンセントのカヌアン・エステート・リゾートのゼネラルマネージャー、リーディングホテルズ・オブ・ザ・ワールドのメンバー、メキシコのワン&オンリー・マンダリナのプライベート・ホームズとHOAのディレクターなどで、モルディブは初めてみたいですね。
モルディブには高級リゾートがいくつかありますが、その中でもハイエンドと呼ばれる、超高級リゾートとして知られているのがシュヴァル・ブラン・ランデリで、それに続くリゾートとして、ヴェラ、ソネバ・シークレット、クダドゥ、ソネバ・ジャニなどがあり、ノーチラスもその仲間として名を連ねていますが、いずれもプライベートの水上飛行機を保有しています。
*シュヴァル・ブラン・ランデリの旅行記です。
ソネバ・シークレットやクダドゥ、ノーチラスなどは小さな島でヴィラ数が少なく、こぢんまりとしていていますが、シュヴァル・ブラン・ランデリやヴェラにソネバ・ジャニなどは、スタンダードなヴィラのベッドルーム数が多く、また豪邸のような一泊数万ドル超えのオーナーズ・ヴィラも保有しており、お忍びのハリウッド・セレブやトップ・アスリートにロシアや中東の超富裕層が数週間から数ヶ月と連泊するケースもあります。
飛行機ではファーストクラスやビジネスクラスが完売すれば、エコノミークラスの料金をものすごく安くしても利益が出ると聞きますが、高級なオーナーズ・ヴィラに長期滞在する超富裕層のお客様が多い場合、リゾートも十分に利益を上げられるのではないかと思いがちですよね。
しかしながら、オーナーズ・ヴィラを運営するには、一軒あたり最低でも30人以上の専任スタッフが必要で、人件費などを考慮すると意外にも利益は少ないような話を聞きました。
某リゾートのスタッフから聞きましたが、中東やロシアの超富裕層となると、家族の他に子供一人につき専属のナニーから、身の回りを世話するメイドに、SP数名、シェフ数名、トレーナー、マッサージ・セラピスト、ヘアメイクなどのスタッフが総勢で10名〜50名で来ることもあるんだそうですよー(笑。
美味しい和食を作るので、一度だけご一緒させて欲しいな、なんて思ったりも(笑。
ロシアの超富裕層の多くは、大型のスーパー・ヨットでモルディブに逃げて遊びにきては、リゾートのある島の沖合に停泊し、プライベート・ヴィラの大きさにもよるそうですが、島には家族の他にはナニーとヘルパーとSPなんかが一緒に宿泊こともあるんだとか。
中東の超富裕層の多くは、プライベート・ジェットで遊びにきては、大勢のスタッフを連れてくる場合は別の民間機に乗せたりする場合もあるそうで、プライベート・ヴィラが広くてメイド&ナニーの部屋があればそこに、なければ別のヴィラを数軒借りて他のスタッフを滞在させているそうです。
先日投稿したアマン・モルディブもですが、最近広告出しまくりのバカラ・モルディブなんかも、海外の不動産投資あるあるで、まだ何も建っていない状態からSNSやメールや電話で宣伝しまくりで、流石に今週モルディブ大統領が完成前は控えるようにと牽制しましたね(笑。
子供のナニーはたまに高級リゾートで見かけますが、SPまでとはすごいですよね(笑。
リゾートのレストランのテーブルで、筋肉質でポロシャツと短パン姿で静かに食事をする男性二人組とかがいたら、もれなくSPだったりするのかもですね(笑。
香港のご近所さんで、ごく普通っぽい中国人カップルがたまにジムに来るんですが、毎回サングラスした男性2人を連れて来ては、ダンベルの上げ下げを手伝うくらいでエクササイズしないので最初トレーナーかと思っていたら、情報通のヘルパーから「それ、SPですよ。」と聞いて、ビックリしたことがあります(笑。
うちはゲート付きコミュニティなので、一体誰が狙うの?と笑っていたら、「修理のコントラクターや配達員に扮しての殺し屋とか、今でも普通にあるですよ。」と聞いて、これまたビックリでした(苦笑。
話はノーチラスに戻り。。。
ノーチラスは、プライベートで広々とした美しいヴィラや、時期によっては魚影が多くて泳ぎやすいハウスリーフに、少ないヴィラ数に対して多彩なレストランやバーが魅力ですが、2023年夏の時点ではホスピタリティや食事に関して不安定な要素が多く見受けられました。
前のGMが良い結果を出せなかったのか、あるいは頑張ってもなかなか集客が難しいリゾートなのか、最初から前のGMの希望で一年だけという契約だったのか、理由は分かりませんが、一年という短い期間で新しいGMが雇われたことが少し気になりますね。
もしかしたら、島の大きさやヴィラの数が似ているクダドゥのように、ハイエンドのオール・インクルーシブを導入すれば、集客がしやすくなるかもしれません。
クダドゥは口コミは良く、価格に見合ったサービスを提供しているものの、ヴィラがシンプルで狭いため、価格帯に対して集客に苦労しているようです。
ローカル企業のリゾートは、外資系のリゾートと比べて、世界的な超富裕層の顧客に対する差別化があまり進んでいないように思え、そのため成長が鈍化している印象を受けます。
一方で、ローカル企業のリゾートには、海外の外資系リゾートにはない「モルディブならではの温かくリラックスしたおもてなし」があり、私たちにとっては非常に魅力的だったりします。
しかし、世界を旅する超富裕層にとっては、素朴で温かいおもてなしは、洗練されてないサービスと捉えられることもあり、そんな超富裕層を本気で惹きつけるためには、世界各地の外資系リゾートでの経験が必要だと感じます。
クダドゥのオーナーはモルディブ出身ではありませんが、素朴で温かいおもてなしを大切にしているようで、外資系リゾートを好んだりプライベート・ジェットやスーパーヨットを保有するレベルの超富裕層にも対応できるレベルのおもてなしやヴィラの豪華さが求められるのは必然でしょうね。
モルディブならではの温かいおもてなしを重視し、地元の人々を多く雇用している素晴らしい企業である一方で、海外経験のない従業員との間にギャップやジレンマが生じているのかもしれません。
ノーチラスは、ヴィラや島、ハウスリーフ、バトラーも良かったので、海外で活躍するGMを起用することで、ぜひニッチなサービスを見つけて生き残って欲しいと思います。
ちなみに、3月の同じ週で料金をチェックしてみたところ、クダドゥは全部込み込みで4,039ドルでしたが、ノーチラスは朝食のみ込みで3,620ドルで、私たちが滞在したオーシャン・レジデンスは完売でしたが10,000ドル超えでした〜(苦笑。
ノーチラスはプラス、全てのエクスカーションがプライベート・ツアー料金で、ランチにディナーにカクテルやワインに、スパにと加算していくと、あっという間に2倍超えとなり、そう考えるとクダドゥはかなりお得な印象ですよね。
ちなみに、稼働率の低い雨季である5月から10月くらいの間になると、どこのリゾートも最高で3割引くらいになるので、地球温暖化による異常気象で以前のような乾季特有の快晴が少なくなったモルディブだけに、意外とこの先は夏場が狙い目かもしれませんよ。