香港極妻日記

海外生活30年目の「極妻(極道ではなく、極楽なアメリカ人妻の略)」の楽しい香港での生活、旅行、美味しいモノ、愛犬の話等、さくっとご紹介♪

モルディブ旅行に関する税金が値上げに

我々ツーリストにとってかなり痛い観光に関する税金値上げのニュースです。

 

遅延しまくりのヴェラナ新国際空港プロジェクトなど長年に渡り謎の出費と赤字だらけで何かとお金が足りないモルディブ政府が、新しい財源確保に動き出した模様(笑。

 

ロシアや中国の富裕層がモルディブの超高級リゾートに押し寄せたり、スペースシップみたいなスーパー・ヨットで数ヶ月滞在したり、プライベート・ジェット層が一気に増加し、昨年と今年のホリデー・シーズンの国際空港のプライベート・ジェットの予約が満員御礼の状態が続いていることなどから、この先もモルディブ人気間違いなし!と思い込んでいるようで、様々な税金の値上げてんこ盛りです。

 

 

 

今週の議会で提案された税金の改正案です。

*Tourism Goods and Services Tax (TGST)は、現行の16%から17%に。

*Green taxは、1泊1名につき、現行の3ドルから6ドル、現行の6ドルから12ドルに。

*Departure Tax(出発税法)の改正。

*Airport Debelopment Fee(新空港開発料金)の改正。

 

 

 

Tourism Goods and Services Tax (TGST)について

 

TGSTは、リゾートに宿泊した際の料金にかかるツーリスト向けの税金で、現行の16%から2025年6月からは17%に改正されます。

 

例えば、1,000ドルの宿泊料金の場合、まずサービス・チャージが10%が加算されて1,100ドルとなり、TGSTが17%加算されて1,287ドルに、という感じですかね。

 

ちなみにTGSTの税率は、2023年1月から8%から16%に引き上げられたばかりです。

 

 

 

サービス・チャージについて

 

TSGTの前に加算されるサービス・チャージは正式には税金ではなくて、2023年1月から導入されたチップ代わりの料金です。

 

宿泊代からレストランやルーム・サービスの食事にスパやアクティビティにツアーなど、リゾート内で発生する全ての料金に対して10%加算されています。

 

それもあって、2023年からはチップを払うゲストは激減しましたが、代わりにこれまで貰っていなかったスタッフ含む全スタッフに平等に支払われることから、リゾートのスタッフからの不満の声は一気になくなりました。

 

ざっくりですが、以前はバトラーやウェイターやセラピストなど表で働くスタッフだけチップが貰えていたのに対して、キッチンやガーデナーやランドリーなど裏で働くスタッフは殆ど貰えなかったことから、リゾートで働くスタッフ全員が平等にチップを貰える事からモチベーションが上がり結果としてサービス向上に繋がるかも、ということで取り入れた税金です。

 

またオール・インクルーシブ(AI)のリゾートが激増し、AIリゾートでは基本全て込み込みなので現地でお金の心配がないと謳っていただけに、チップを持ち歩くのが煩わしいという声が沢山上がって、それでチップ代わりに導入されたという経緯も聞きました。

 

裏事情としては、国によってはチップの習慣がない為、チップの習慣あるなしでゲストへのサービスや対応を変えるスタッフがいたり、習慣のないゲスト勢もそれに気づいてサービスに差があるというクレームが入ったり、リゾート内ではチップが少ないアジア人に付きたがらないバトラーがいたり、まあ色々な揉め事があったそう(苦笑。

 

そんなサービス・チャージですが、各リゾートの1ヶ月分のサービス・チャージを全スタッフの頭数で割って、全スタッフに均等に分配されます。

 

リゾートで働くスタッフの基本給に加えてサービス・チャージも支給されるので、2023年1月以降は基本的にチップは無用となり、それ以降はあくまでもチップは自己判断で任意なものとなりました。

 

今夏に宿泊した高級系のAIリゾートでもチップは一切無用ですと言われましたが、大変良くしてもらったので感謝の気持ちとして少し多めに渡したところビックリするくらいに大喜びしてくれました。

 

モルディブに限らずチップはあくまでも気持ちなので、モルディブ旅行仲間の中には、ハウスキーパーやバトラーやウェイターなどに日本の温泉宿の心付けと同じ感じで先渡しすることで何かと優遇してもらう人もいれば、最終日に特別にお世話になったスタッフにだけまとめて渡す人もいる、という感じです。

 

 

 

サービス・チャージは毎月いくらくらい貰えるのか?

 

ちなみに、モルディブで働くスタッフ全員が基本給とは別に貰えるサービス・チャージが一体どれくらいかというと、、、。

 

繁忙期を含む乾季の2024年1月のサービス・チャージです。

hoteliermaldives.com

 

リゾート名をチェックしていて気付かれたかも知れませんが、幾つかの有名どころのリゾートが記載されていませんよね。

 

これは単純にそのリゾートで働くスタッフとのコネがなかったりして、こっそり金額を教えてもらえなかっただけのケースが多いみたいです。

 

あとはリゾート側としてはあまり知られたくはない部分と言いますか、これらの金額とリゾートの宿泊料金などからリゾートの稼働率が簡単にバレちゃうので、漏らさないようにと従業員に箝口令を敷いている場合もあるみたいです(笑。

 

基本的に宿泊料金によって額が大きく違ってくるとはいえ、それにしてもリッツのサービス・チャージ、すごいですよね(笑。

 

基本給とサービス・チャージに加えて、ロシア人や中東人など富裕層を担当するバトラーの中にはチップを加えると合計で毎月アメリカ・ドルで5桁超えとかよくある話らしいので、リゾートが忙しい期間の数ヶ月だけ働いて、暇な夏場に世界旅行なんかを楽しむスタッフも少なくないんだとか。

 

ただ、これらの金額は稼働率によってものすごーく違ってくるので、低い時はこんな感じです。

hoteliermaldives.com

 

まあ稼働率が低い=暇なので、その期間は仕事的には楽だったり十分な睡眠がとれたり、また空いている時期なので交代で長期休暇を取ったりと、そういった意味では一番穏やかなのが雨季の夏場だったりします。

 

 

 

Green taxについて

 

Green taxは、すべての宿泊施設(リゾート、ホテル、ゲストハウス、船舶系)にかかる税金で政府の収入となり、使い道についてはかなり訝しいです。

 

2025年1月から、50室未満のゲストハウスについては1、人1泊3ドルから6ドルに、リゾートホテルやシティホテルと50室以上の観光客向け施設については、1泊1名につき6ドルから12ドルに改正(但し2歳未満の課税は停止)の予定です。

 

 

 

Departure Tax(出発税法)とAirport Debelopment Fee(新空港開発料金)について

 

モルディブの空港から出発する旅行者全員に課される料金で、最初は外国旅行者が25ドルでモルディブ人旅行者は12ドルでしたが、2016年12月に空港税と手数料法として導入されて料金変更となりました。

 

もし可決された場合は、早ければ12月からの施行で以下のように変更される予定です。

 

Departure Tax(出発税法)は、、、

エコノミークラス利用客は、現行の30ドルから50ドルに。

ビジネスクラス利用客は、60ドルから100ドルに。

ファーストクラス利用客は、90ドルから240ドルに。

プライベート・ジェット利用客は、120ドルから480ドルに。

 

Debelopment Fee(新空港開発料金)は、、、

エコノミークラス利用客は、現行の1人30ドルから50ドルに。

ビジネスクラス利用客は、現行の1人60ドルから100ドルに。

ファーストクラス利用客は、現行の1人90ドルから240ドルに。

プライベート・ジェット利用客は、現行の1人120ドルから480ドルに。

 

エコノミークラスの場合は2人で200ドル、ビジネスクラスの場合は2人で400ドルですが、家族旅行となると更に増し増しですからねー(涙。

 

プライベート・ジェット利用客にとっては全然気にならない価格でしょうが、格安ツアーを利用する欧州のリピーター層やそれらを扱う旅行代理店にとっては災難で、逆に旅行者が減るだけな気がします。

 

チケット料金が上がることで、もれなくツアー料金も上がりますからね。

 

となると格安ツアーでオールインクルーシブ系の中間価格帯を選んでいた層はやむなく低価格帯のリゾートに下げるか旅行回数を減らすか旅行自体を諦めるしかなくなり、リピーター層からの不満も一気に増すでしょうし、また中間価格帯から低価格帯のリゾートにも少なからず影響がありそうな。

 

どうせなら地球温暖化に一番悪影響を与えるプライベート・ジェットの料金をもう一桁アップすることで、エコノミークラスについては現行据え置きにする方が、欧州リピーター層や戻ってきて欲しいインドからのマーケットも維持出来ると思うんですが、下手に値上げすると相殺されたり減りかねないので、上手にバランス取らないとですよねー。

 

 

 

と思いきや、昨日のニュースで読みましたが、プライベート・ジェットのオペレーター数社が猛反対しているみたいですね。

 

プライベート・ジェットといっても、個人や会社で保有から、固定料金で利用するプリペイド会員や、プライベート・チャーターに、空車タクシーならぬ空便での格安利用や、シート・シェアなど色々あります。

 

モルディブで一番多いのが、多くのハリウッドスターやアスリートらも利用しているプライベート・チャーターですが、それらを運営するのがオペレーターです。

 

なんでも富裕層やビジネス旅行客などのラグジュアリーな旅行市場は最近はコストの変化に非常に敏感らしく、このような(出国税の)大幅な値上げはプライベート・ジェットの利用者減少につながり、結果として観光業界や関連ビジネスに多大な影響を与える可能性があると強調していました。

 

それに対するモルディブ政府はというと、、、緊急の財政再建の必要性を理由に増税を擁護しており、最近の世界銀行の報告書によると、モルディブの外貨準備高は危機的な低水準に落ち込んでおり、早急な歳入増強策が必要、なんだそうですよー。

 

 

 

ちなみに既に予約済みのモルディブ旅行に関して、もし料金が改定された場合にどうなるかというと。。。

 

自分たちでエアとリゾートを直接予約されている場合は、もれなく追加料金が発生します。

 

代理店で予約済みの友人らの話によると、イギリスの大手旅行代理店の中では既に予約済みのツアーに関しては値上げ分を負担すると発表しているところが多いそう。

 

日本人はこういったことには大人というか大抵納得して素直に支払いますが、海外では良くも悪くもゴネたもん勝ちと言いますか、逆にゴネないと騙されてボラれるケースが非常に多いので、かくいう私もアメリカと香港で逞しく強いハートになりました(笑。

 

こういったケースのフォローは代理店によって様々なので、既に日本の代理店でモルディブ旅行を予約された方は直接代理店にご確認くださいませ。