香港極妻日記

海外生活30年目の「極妻(極道ではなく、極楽なアメリカ人妻の略)」の楽しい香港での生活、旅行、美味しいモノ、愛犬の話等、さくっとご紹介♪

モルディブの水上飛行機ターミナルをシェラトン・モルディブに移転!!

今朝は先週末のモルディブのニュースを読んでいてビックリ仰天でしたー。

 

マレのヴェラナ国際空港を拡張する為、なんと2022年に完成したばかりの水上飛行機ターミナルを潰してランウェイを増設し、空港の北に位置するシェラトン・モルディブ・フルムーン・リゾートがあるK. Furanafushi島に水上飛行機ターミナルの新設&移転することを決定したとの発表です(汗。

 

 

実はこの件は、今年の頭に新大統領が大々的に掲げるヴェラナ新国際空港の20年に渡る開発プロジェクト案として発表された中のひとつです。

 

発表後に大勢のローカルからもあり得ないとブーイングの嵐だったので、てっきりまたいつものように消えたり頓挫するものばかりと思っていたら、どうやらまだ今のところは生きているようで、巻き込まれ事故に遭いかねないシェラトン・モルディブが心配。

 

www.youtube.com

 

20年開発プロジェクトの概要は、ざっくりですがこんな感じ。。。

 

 

*年間2,500万人の旅客に対応する旅客ターミナルの拡張。
*エプロン・スタンドと駐車スペースの拡張。一度に37機から73機まで拡張可能。
*水上飛行機ターミナルと水上飛行機運航会社のフラナフシ島への移転。また開発により3本の水上滑走路と5社の水上機オペレーターを収容。
*VIA初のホイールベースMRO施設。
*貨物ターミナルを拡張し、2050年までに300,000MTの保管が可能。
*新たな燃料ファームの拡張により、貯蔵量を1,500万トンから4,500万トンに増加。
*国内線と格安航空会社専用のターミナルで、より多くの旅客を収容。
*VIA初の自己完結型ジェット・ターミナル。
*すべてのVIA旅客ターミナルは専用の輸送ネットワークで相互接続。
*専用交通網で結ばれたフナドゥ島に開発された指定空港経済ゾーン。

以上、DeepL先生の翻訳です。

 

 

 

この中の一つが、シェラトン・モルディブがあるフラナフシ島への移転話です。

 

マレの国際空港からスピードボートで僅か15分のシェラトン・モルディブは、50年前の1973年12月にモルディブで5番目のリゾートとして誕生し、長期に渡りモルディブの観光業を支えてきた老舗です。

 

我が家は改装前の大昔に他のリゾートに行く際に一泊しましたが、マレでの前泊だったのでヴィラとビーチの一部と朝食くらいしか記憶になくて、まあ特に可もなく不可もなく、という印象。

 

そんなシェラトン・モルディブは、2000万ドルかけて大幅に改装し終えた2019年に新型コロナが流行し大打撃を受けて、2022年にはユニバーサル・エンタープライズとマリオット・インターナショナルの合弁会社がシェラトン・モルディブとWモルディブをKSL Capital Partners, LLC (KSL) に売却しています。

 

シェラトン・モルディブのハウスリーフ自体は残念そうですが、これまでに絶滅しかけている貴重な珊瑚をモルディブ全域から集めては、数多くの珊瑚をハウスリーフに移植して珊瑚ピラミッドを作ってきたり、他のリゾートに先駆けてプラスティック廃棄物の削減にいち早く取組み、ガラス瓶でミネラル・ウォーターなどを提供し始めるなどサステナブルな環境作りのリーダーとしても邁進してきました。

 

他にも、エネルギー消費を削減するために室温を自動調整する革新的な空調システムや野菜や果物やハーブなどの自家菜園に、AI搭載カメラを使用して食品廃棄物処理の分野を特定しているそうで、また将来的には食品廃棄物をキッチン・ストーブ用のガスに変換するバイオガス・プラントと、現場で有機卵や肉を生産する活気のある養鶏場を実施する計画があるんだとか。

 

www.traveldailymedia.com

 

サステナブルなシェラトンは、グリーン・グローブにも認定されているんですねー。

 

www.greenglobe.com

 

そんなモルディブに敬意を払い環境に優しくと素敵なシェラトン・モルディブがあるフラナフシ島内に、水上飛行機のターミナルを2億ドル以上かけて作り、またマレ島からフラナフシ島への架け橋に1億ドル以上かけて作るって、、、(汗。

 

 

 

マレのヴェラナ国際空港とシェラトン・モルディブがあるフラナフシ島との位置関係ですが。。。

 

下の画像の赤いマークのある縦長の部分がヴェラナ国際空港で、右上のピンクのベッドのマークがついている島がシェラトン・モルディブです。

 

 

そして2022年に完成したばかりの水上飛行機専用のターミナル@Nooviluターミナルが下の画像の青い飛行機のマークのところで、左側の国際線ターミナルから車で黄色い線をぐるっと回って水上飛行機ターミナルへ毎回移動している感じです。

 

 

下の画像がNooviluターミナルで、このターミナルをシェラトン・モルディブがある島のハウスリーフに二箇所も新設する計画だそう(汗。

 

 

↓今現在のシェラトン・モルディブがある島の画像です。

 

 

↓そして20年プロジェクトの完成予想図。

 

 

↑なんか島の形状が違うように見えますが、ラグーンを深く掘り下げて水上飛行機のランウェイを増設してるからですかね??

 

もし同じ角度だとしても、フラナフシ島は右側が外洋に面しているので、外洋からの強い風と波をダイレクトに受けると思うんですよ。

 

今月のモルディブはモンスーンの入れ替わりの際の悪天候が通常よりも長く続いていて、昨日もモルディブ旅行仲間のカップルが、リゾートまでの道のりが強風や大雨で危険と判断されて水上飛行機がキャンセルとなり、やむなくマレに一泊しています。

 

gokutsuma.hatenablog.com

 

先週はリゾートから水上飛行機でマレに戻れなくなり国際線に間に合わず翌日のフライトを購入せざるを得なかったカップルやご家族が多かったですよー。

 

またマレから早朝の水上飛行機でカンドゥルに向かったカップルは悪天候でこれ以上の飛行は危険過ぎるからと途中にあるリゾートに下ろされて様子見となり、1、2時間の待機かと思っていたら暴風雨が収まらずでランチを食べることとなり、流石に午後には飛べるだろうと思っていたら結局一泊することとなり、翌朝には飛べるかと身支度整えて待機していたら暴風雨で遅延となり、ようやくカンドゥルに到着出来たのは予定より26時間後遅れという有様(汗。

 

という感じで、温暖化によりモルディブ全域での風や海流と潮流の強さが年々増している昨今だというのに、外洋に面した島に風雨の影響をもろに受けやすい水上飛行機のランウェイを作るなんて、ちゃんと20年後の世界を予測してるんでしょうかね?

 

まあそれだけ専門家なしの絵空事プロジェクトだと証明しているようなものが。。。

 

 

 

2022年にオープンしたばかりの巨大なNooviluターミナルの動画です。

 

www.youtube.com

 

既存の水上飛行機専用のNooviluターミナルは2022年に5500万米ドルかけて完成していて、現在は毎日4,000人から6,000人の乗客数で、閑散期には毎日約300機の水上飛行機が運航され、繁忙期には600機近くまで増加だそうです。

 

サステナブルに取り組むシェラトン・モルディブに、まさかの水上飛行機ターミナルの設置って、、、本当にお口あんぐり案件ですね。

 

中国との友好橋を建設した数年間も人身事故が起きたり珊瑚礁へのダメージは相当だったと聞いていますが、今回もし本当にシェラトン・モルディブのある島にターミナルと橋を建設するとなったら、この界隈にはダイバーに人気のポイントが沢山あるそうなので、建築時の珊瑚礁へのダメージや、オープン後は燃料によるハウスリーフや近海への汚染も計り知れないでしょうね。。。

 

 

 

20年計画と銘打っている大プロジェクトのようですが、この先更なる温暖化が進み、もしかしたら20年もしないうちに穏やかな快晴の日が段々と減ってしまったり、ますます天気が読めなくなり悪天候が続くようになるかも知れません。

 

また海水温の上昇により珊瑚の白化が進むどころか、今後は海洋生態系も変わっていき、お魚さんの種類が激変したり個体数も激減したりする可能性も高いので、そうなった時に今以上の集客どころか半分も見込めなくなるかも知れずで。。。

 

リッツ・モルディブのゲストみたいに、豪華なヴィラと美味しい食事と一流のホスピタリティがあれば、ハウスリーフもお魚もゼロでも構わないという方々も一定数いますが、彼らにしても悪天候や荒波だったりしたら、もうわざわざバカ高くて(ポイントかもですが、笑)遠いモルディブじゃなくてもいいとなりますしね。

 

お魚も日本の近海ではカツオの収穫量が年々減っているそうで、今後海水温が上昇するとミネラル豊富な海水が海面に上がって来なくなりプランクトンも減ってしまい、結果的にカツオの餌となる魚が減ってしまうことでカツオ自体も激減する恐れがある、というニュースを見ました。

 

モルディブの主要産業は観光業と漁業の二本柱で、これまではカツオとマグロの一本釣りをブランド化したりと頑張って来たようですが、こちらも深刻な問題ですね。

 

 

 

という感じで、ビックリさせてしまったかもですが。。。

 

現大統領に関わらずモルディブ政府のプロジェクトは、専門知識なしで自分たちの利益ばかり考えて無駄なプロジェクトに税金を使い込む日本政府と似ていて、話題の新ヴェラナ国際空港に関しても、過去に何度も新しいプロジェクトが立ち上がり建設が始まっては頓挫したり白紙に戻っては、また新しい政権とプロジェクトが誕生という繰り返しです。

 

新しいところでは、海に浮かぶ人口都市@フローティング・シティのプロジェクトが有名ですね(笑。

maldivesfloatingcity.com

 

通常自然を相手に何か新しいプロジェクトを立ち上げる際は、様々な分野での専門家からの意見に耳を傾けて広い視野で見据えていく必要があるんですが、残念ながらモルディブ政府はリアル・ポリティックス(力関係や利益を重視)なので、数年前に大々的に発表したこちらのプロジェクトも、あっという間に頓挫して消え去りました(笑。

 

現在進行中の新ヴェラナ空港プロジェクトについても、その道のエキスパートを雇用することなく、自分たちに都合が良かったり頼まれたりした専門外の聞いたことない企業に丸投げしている模様で、本気に捉えていないローカルも少なくないです。

 

もちろんモルディブの空港開発に関わっている方々の中には、海外から呼ばれたその道のプロに近い方も少なからずいたりしますが、政府とは違って決定権は全くないので、今回のように冗談としか思えない政府の新プロジェクト案に日々振り回されては頭を抱えている状況みたいです。

 

 

昨秋に現大統領が就任後の挨拶で「今秋に新空港をオープンしよう!」という無謀なサプライズ発言に関係者の皆さんは超焦って(呆れて)いましたが、とりあえず来年頭にずれ込んだみたいなので、全然足りないかもですが少しは時間が稼げたようですね。

 

 

 

20年プロジェクトは他にも燃料貯蔵施設の移転を巡って、最初はシェラトン・モルディブの近くという発表でしたが、その周辺にはダイビング・ポイントが数多くあることから沢山のダイバーや自然保護団体などからクレームが殺到しました。

edition.mv

 

その結果、やむなくティラフシに変更した経緯もあるので、今回の水上飛行機ターミナル移転話も覆されることを祈っています。。。